1904年は日露戦争勃発の年。
2004年はその丁度百年目に当たる。

「坂之上の雲」を読んで、その辺りの時代や事象や人物に以上に興味を持つこととなったのはかなり前のこと。
私にとって司馬遼太郎氏の作品は、好きと嫌いの両極端が存在する。
そのうち、「好き」の横綱であるのがその作品。

「好き」が嵩じて、こんな雑誌まで……雑誌なのに高い。
写真が多いから仕方ないか(ふぅ)

日本海海戦は、1905年5月27日のこと。
誰がどう考えたって、東洋の小国・日本が大ロシアに勝てるわけがない!
と思っていた。
日本人だって思っていた。
負ければ「奴隷」であると知っていたのだ。

現実、ロシア支配下のたくさんの民族が隷属させられていた…つい最近までね。
(歴史を見ればよくわかる)

それをながなが遠征してくるわ。
 (バルト海〜大西洋〜インド洋〜東南海〜日本海…ご苦労さんなことだ)
日本の同盟国・英国にねちねちと嫌がらせはされるわ。
 (ずーっと後をつけられる&薪水補給を許さない&乗組員の上陸を許さない……七つの海に覇を唱える、英国だからできた嫌がらせだ)
ロシアのユダヤ人虐待を憎むユダヤ系資本家(特にアメリカの)が進んで日本の国債を買い、日本の軍事資金調達に力をつくすわ。
 (この力を"怖い"と感じる人がユダヤ人弾圧に走るのだろう)

これだけ条件が揃うと…ね。

叉なにより、ロシアの、大国であるとの自負。
「東洋の猿」である日本をきちんと評価(観察)しなかったがゆえに、こてんぱんにやられる羽目になった。
ニコライ皇帝が「大津事件」以来日本人を嫌っていたから仕方がなかろうが、でも一人や二人まともな人物が直言してもよさそうなのに。
専制君主国家(しかも皇帝独裁)は、ひとつ転ぶとこうなるから怖い。
戦後10年ほどで、革命になだれ込むのもむべなるかな。

ただし、これだけ条件が揃って、ようやくの引き分けである。
戦争全般を見れば、日本は必ずしも勝ってはいない。

さて。
東南アジアには所謂"じゃばゆきさん"たちが点在していて、シンガポールを過ぎてゆく艦隊を見て、彼女らが次々と故国に電報を送ったとか、九州周辺の小島の漁師が、倒れんばかりに小船を漕いで艦隊の接近を知らせたとか、たくさんの秘話が残るのが、このバルティック艦隊の遠征である。

小説として、題材に事欠かぬのも確かだろう。
題材がありすぎて、書くのは大変だろうけれど。

それから、有名人はなるべく若いうちに写真を撮っといて、雑誌にはその写真を使うようにして欲しいものだ。
ちょっとショックな写真が…なきにしもあらず。

…時間って残酷ね。
しみじみ思うひとときである。

あ〜あ。
思わず溜息が……。

ISBN:4404033079 単行本 新人物往来社 2005/02 ¥2,310

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