紅楼夢の殺人

2005年2月15日 読書
中国四大奇書…のひとつに「紅楼夢」という小説がある。

時は清朝。

建国の功臣…の家系であるか賈(か)家。
家のうちに池を持ち、その周りに亭を沖、あずまやを置き、美しい(縁者の)女たちを住まわせている。

彼女らと、賈家の人々(老いも若きも)との日常のあれこれ。
いかにも金持ちの生活らしい驚くべき描写。
日常離れした園遊会の様子や(なんと!)宮中にあがっている一族の娘のお里帰りのようす。
そして、政変に見舞われて「諸行無常」を感じるひと時…などなど、平和な清朝の、とある名家の生活描写を垣間見るのにちょうど良い小説なのである。

ちなみに、この小説は、中国の、庭園で有名な蘇州に現存する広大にして豪華な庭園・「拙政林」がモデルとなっている。
ここもとにかく広い。
観光客が大挙して押し寄せても、ゆったりと吸収するぐらい広い。
そこらのお寺より遥かに広いのである。
これが…個人宅であったとは。
貧富の差の激しさと、中国人民の怒りの原点を見る思いがする。

で。
この小説は、その「紅楼夢」のパロディである…と思う。
(まだ読み始めなので不明)

殺人事件が起こるのだろう(多分)
で、本編で主役を張った、賈 宝玉ぼっちゃんが活躍するのだろう(多分)

本編では、彼は父方のいとこである、病弱な美女・林 黛玉をふり、他の女に走ってしまった、
それも最後の最後に。
……私はそれがなんか許せなくて、このいかにも坊ちゃんな金持ちの苦労知らずの息子には、強い不信感を抱いているのであるが…やはり彼が探偵役なのだろうか?

どうせなら気風の良い王熙鳳あたりにやらせてくれても面白いだろうに。
とかなんとか。
部屋のベッドの上にかかっている額を見ながら思う私であった。

中国は杭州で求めたその絵は、シルク生地に描かれたもので、題材は「紅楼夢」。
美女がいーっぱい描かれているのだ。

ISBN:4163213708 単行本 芦辺 拓 文藝春秋 2004/05/26 ¥1,950

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