病気見舞いの一冊。
この人のエッセイは、楽しくすいすいと読める。
竹を割ったような性格なので、読んでるこっちもすっきりとする。

病気で凹んでいる時、気分が落ち込んでいる時、とってもいい良薬だ。

某日本国の某首相に対しても、歯に絹なんか着せてない。
見た目。
やっていること。
バンバン言っている。

イギリスで年金を貰って暮らす作者。
でも、
本当は日本に帰りたい。美しい日本に帰りたい。けど帰れない。

というのは、今の日本の社会制度のせい。
その通り、だと思う。

あー。元気が出た。

* * * * * * * * * * * * * *

エッセイの中で、感心したお話があったので概略を披露したい。
数年前のこと。
英国や仏蘭西のル○・ヴィ○ンでは、日本人の締め出しをやったそうだ。
つまり、売らない。
大挙して押しかけた日本人観光客(の若い女性たち)は英国や仏蘭西のル○・ヴィ○ンでは買い物をさせてもらえなかったという。
何故か。
大昔、雑誌ア○ア○が紹介して火がついてからというもの、日本人(特に女性)は、ネコも杓子もル○・ヴィ○ン状態である 
   ↓

欧羅巴の店にも、Tシャツにジーンズ・スニーカーというラフな格好で大挙して表れ、大騒ぎして買って行く

   ↓

もともと富裕層対象の、高級が売りの店のイメージが崩れてしまっている。

以前、女子中・高校生が集中的に買い求めたアメリカのメーカーラ○フ・ロー○ンが問題にしたのと同じことが起こったのだ。

で、英国・仏蘭西の店においては「遠慮してください」となったらしい。
では、日本人は何処で買うの?
「そのために日本店があるでしょう?(ちょっと高いけど)」
というわけらしい。

ところで。
店側の苦肉の策もわからないではないと、高尾さんは言う。
私もそう思う。
ただ。
日本って本当に民主主義というか、階層がないというか、自由だなァと、こういう逸話を聞くと思うのである。

でも、よく考えるとこれって……へんでしょ?
納得いかないでしょ?

そう。
人種差別になるんだよなぁ。
だから、おおっぴらにはしてなかったらしいけれど、なんだかんだ理由をつけては売らないようにしていたんだそうだ。
そういう目にあった日本人も、結構いるのかな?
「あ、私も!」って?

店側の気持ちもわかる。
でも、だからといって、日本人が粗雑に、客ではないように扱われるのは腹が立つ。
日本人だからと横柄な態度に出た店員に、高尾さんは一喝する。

日本人がどんどん買ったからこそ、 ル○・ヴィ○ンは世界中に冠たるブランドになった。
日本人が買わなかったら、いまでも英国と仏蘭西に一店舗ずつぐらいしかないメーカーに過ぎないよ!
と。

そうなのか…。
ル○・ヴィ○ンを世界に"布教"したのは日本人(しかも若い女性)なんだ。

いろいろ勉強になる。

ISBN:4167123134 文庫 高尾 慶子 文芸春秋 2004/10 ¥520

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