欧米の旅 (上)

2005年1月1日 読書
旅先で元旦から読み始めた一冊。
なんと3巻本なので、ゆっくりと読むしかないと覚悟を決めている。
頃は、大戦前。
なんと、船で上海〜東南亜細亜〜印度〜埃及〜欧羅巴〜亜米利加〜と回った女性が書き綴った日記である。
夫君の仕事にくっついて行かざるを得なかった旅とはいえ、これがなかなか鋭い観察眼をもっておられる。

まず、出発。
出発までのどたばたが、女性としては良くわかるしとっても楽しい。

着物しか着たことがなかった著者。
着物でずっととおせばいいと思っていた。
…が、周りがそうはさせない。
「印度へ行くなら麻服は絶対必要よ」
とか、
「埃及に行くのでしょう、だったら……」
だの、
「ロンドンは寒いのよ、私のコートをお貸ししましょう」
だの、かまびすしいことこの上ない。

また、
「その髪だと帽子がかぶれないわ」
と美容院に引っ張り出し、とうとう2軒も回る羽目になる。
ありがたい友人たちのお陰でなんとか旅の仕度が整った…と、感謝する著者である。

準備段階でこれだから、さてさて旅行に出ればさぞかしいろんな事に目を止め心を止めて綴っているに違いない。

ISBN:400000235X 単行本 野上 弥生子 岩波書店 ¥3,150

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