推奨児童図書…のノリである。
だが、結構面白いのだ。

一匹の狐が哲学する。
門前の小僧、習わぬ経を…で狐とは「化ける」もんだと目覚め、山越え野を越え仙人の元へ修行の旅へ出た……のではなく、「化ける狐」を見るために旅に出た。

旅の途中漁師の追われ、猟犬と戦いこれを倒し(個人的にはイヌに同情したが)、仙人と出会い…

いつの間にやら立派に「化ける狐」となっていた。

激しい修行をするわけでもなく。
変身する対象を心に強く思うことで。

思うこと。
そして想像すること。
やはりこれって重要だよね。

そして出会ったのは源義経。
人間が「食べるため」以外の「殺し」をする。
しかも同属同士で殺しあう。
その事実に驚きながら、狐は考える。
一度は心を寄せた義経だったが、所詮は「縄張り争いで兄弟で殺しあうのだ」と。

人間より、ずぅ〜っと考える狐・白狐魔(しらこま)は時代を超えて人間社会を見続けるつもりらしい。(というか勝手に長生きしているような…知らんうちに魔物、というか"仙"になっちゃったかな?)

師匠の仙人は、"修行"と言う言葉が嫌いらしい。
山伏を見ればフンと嘲笑する。
曰く、
山野をどかどか歩いて偉くなれるのなら、熊がいちばん偉くなってしまうではないか

……確かに(笑)

ISBN:4037442108 単行本 斉藤 洋 偕成社 1996/02 ¥1,365

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索