旅はゲストルーム

2004年12月21日 読書
思わぬ収入(図書券)が有ったので、嬉しがって衝動買いをした本。

旅の本。
否。
旅先で泊まる、ホテルの本だ。

私は旅が好き。
ホテルも好き。
でも、「高級ホテルじゃないとイヤ!」というわけではない。
寝るだけの"ディズニーランドツアー"なら、1泊5千円のビジネスホテルでもぜんぜん平気。

でも、高級ホテルも勿論好きだ。

この本の著者はその、ホテルの設計者である。
勿論、この場合のホテルとは、世界に名を轟かすようなホテルである。
そこらへんのビジネスホテルではない。

著者が、某ホテルで、ロビーに展開する「クロスの緞子張り」にうっとりとすれば、それを見た従業員がきらりと目を光らせて「同業者」と確認、さりげに日本語のガイドブックを差し出す…

こういう著者だから、世界各国を飛び回って、「これぞ!」と言うホテル(の部屋)に入ると、バスの大きさ、洗面台の高さ、サニタリーの種類等々ありとあらゆるところを採寸してスケッチせずにはいられないという病をもっている。

…そう。それは、もうビョーキである。

だから、ちょっといい部屋に泊まると、あらゆる扉を開き、中を覗き、「へぇーえ」「ふ〜ん」「ほぉーぅ」と声を上げている私も似たようなモンかもしれない。

だから、たとえ逆立ちしたって泊まれそうもないホテルの部屋の広さや、バスルームの形状や、壁紙のデザインや、サニタリーグッズの種類が克明に記されていても、十二分に楽しめてしまうのだ。
だってどう考えても、ブータンのホテルになんざ一生行けそうにもない。

そういえば。
昔、地方局でみょーなホテル紹介番組をやっていたのを覚えている。
「欧州旅籠事情」とか言ったろうか…。
舞台はヨーロッパ。
地元の若い美女を案内役に、これぞと決めたホテルに宿泊する。
そして、その施設やサービスを細かく採点して総合点を出し、勝手にひそかにランク付けをしちゃおう!というお茶目な番組であった。
なぜか、おねーちゃんのシャワーシーンが毎回付いていたのだが、それは兎も角、私はこれが大好きであったのだ。

何を採点するのか。
例えば、

ドアボーイのサービス
フロントでチェックインに懸かる時間
ルームサービスを頼んでから来るまでの時間
ベッド、バスルーム等の大きさ
部屋からのロケーション
グッズの種類

…なんてのはまあ、普通だろう。

しかし、必ずやるのが、もってこさせた「お茶用のお湯の温度を、温度計で測る」こと。
毎回違う美女が真剣に、ポットに温度計を突っ込んでメモリを謀っていたのが印象的であった。

この本では、ほぼそれに近いことをやっているような気がする。
"同類"の匂いがするんだよね。
どうも。

ISBN:4334783317 文庫 浦 一也 光文社 2004/12/08 ¥900

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