1993年から10年間にわたり、JR東海が繰り広げたキャンペーン「そうだ、京都、行こう」
はかなり有名である。

その広告写真を改めて集め、文章と切り離し、装丁し、一冊に纏めた本が出た、と聞いて、これは買わねばと決めていた。

いい値段はしている。

が、綺麗なんだな。
これが。

いまは紅葉の季節。
店頭には写真メインの京都案内本が所狭しと並べられている。
どれを見ればいいのか判らないぐらいだ。

ところで、そんなたくさんの本だが、「これだ!」といいところを突いているものは少ない。
ない、と言って良いぐらいだ。

ほとんどが、宣伝費を出してくれているお店やレストランやお土産屋さんで占められている。
それはそれでよかろう。
本の出版も、慈善事業ではない。
だがしかし。
それだけではあまりにも詐欺な話である。

宣伝されたお店は、当たり前だが人でごった返している。
そんなところでゆっくりのんびりと"自分なりの"京都を味わえるだろうか…?

では、この「そうだ、京都、行こう」がすばらしい観光案内本かといえばそうでもない。

ただ。
美しい京都を紹介している。
それだけだ。
でも、それだけでいいと思う。

季節と、時間と、場所は記されているのだ。
(交通手段だって書かれている)
あとは自分で決めて自分で計画して自分でそこへ行けばいい。

本の末尾には、観光地の解説と、季節の行事がまとめて書かれている。

下手な観光案内本よりも、美しい京都を切り取った写真を心に、観光地図よりも都市地図をもって、京都へ来てください。

地元の大銀行(笑)・京都銀行も、何年か前に「京都の写真集」を出したが、これも店頭を飾ったポスターの写真である。
京都中央信用金庫は、頭取が知る人ぞ知る大の写真○○○○で、四条烏丸の店頭には、頭取自らが撮影してきた京都の四季の風景が写真に切り取られて飾られている。

こういうものを見るほうが、下手な観光案内本よりよっぽどいい。
美しい。

ISBN:4473020932 単行本 淡交社編集局 淡交社 2004/10 ¥1,680

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