スイス時計の謎

2004年11月11日 読書
お久しぶりの有栖川有栖作品。

この人の推理小説は、時を同じくして世の中にあふれ出た一連の作家の中では一番読みやすい。
一族揃ってヘンな趣味に走っている大金持ちだとか、妙な性格をして片足異世界に突っ込んでいるような人ばかり出てくるとか、そういう超現実の世界が無い。
現代日本で、ごくごくありうるシチュエーションで、現実味があるせいなのか。

それとも、関西弁語り、推理し、で関西で(一度海外もあったけど)動き回る彼らゆえに親しみが人一倍わくせいなのか。
(多分是が一番の理由)

本もね。
戸外で読むのに最適。
乗り物で読むのに最適。
片手でもっても、いっこうに疲れない。

けっこうですな〜。

平均60頁の短編を4本、太くは無い一冊の新書にまとめたあたりも、とっつきやすくて非常に宜しいかと…。

唯一の問題は。
著者も、この彼の小説の中に出てくる小説家(所謂ワトソン君役である)も、かなり好きらしくてやたら出てくるアメリカの推理作家、クイーンである。
私この人の作品は"食わず嫌い"で何故か敬遠して、今までで一冊きり読んでいないのだ。
その一冊も、「シャーロック・ホームズがらみだから」と言う理由だけで。(さて、それは何と言う本でしょう?ちゃんと、エラリー&リチャード親子が出演しますぞ。)

いや。
理由はある。
きっとあれだ。
それは、寝ぼけ眼でみた真夜中のふる〜い映画が原因なのだ。
エラリー・クイーンのドラマをやっていたのだが、そのドラマに出てきたエラリー役の俳優さんが…聞き及んでいたイメージからは恐ろしくかけ離れていたせいだろう。

寝ぼけつつも大きなショックを受けた私。
「これは酷い!」(酷いのはどっちだ!?失礼な)
とそのとき思って、それ以来、クイーンには差別意識をもってしまっているのだ。
きっと。

ISBN:4061823167 新書 有栖川 有栖 講談社 2003/05 ¥840

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