私は二歳

2004年10月16日 読書
先の読んだ本の、その勢いのままに、おまけ的に、読んだ本。
二歳児の"私"がママやパパやおばあちゃんを相手にさまざまな対応をして見せたり、近所の人たちの会話を耳にして感想を述べたり振る舞いを決めたり、同じ年頃の子供たちと遊んだりとまるで大人が日記を綴るが如くに書いて入るのがこの本の仕様である。

つまり育児書。

ママが、パパが、近所のオバサンが、おばあちゃんが、といろんな人がいろんなことにいろんな意見を述べたりしたりするわけだが、何が子供にとって良いことか、どのようにするのが望ましいかを物語り調に語るわけである。

だから、子供を持たない人間でも飽きずに読めるのだ。

だから、刊行年の古さに、ちょっと吃驚したりもするのだった。

ただし、旧来の大家族制が崩壊しつつあるその象徴として、「団地族」が生まれてきている様子が伺われるのが目に付く。
つまり時代性はやはり隠しようが無い。

「煩い姑小姑から離れての、団地ライフ」
とはいえ、ご近所さんとの付き合いは今のように疎遠ではない。
単に姑・小姑からの脱出、というところに力点が置かれているようだ。
勿論、その団地でも、世代間での行き違い問題もあるのだが、あくまでも前向きに解決していこうという姿勢が今はなくなってしまったものだろうなぁと羨ましくも思われる。
そして最終的には、その姑との思わぬ同居問題も本書には顕れてくる。
なにしろ、関東(多分東京)出身の妻に対し、夫の実家は京都である。しかも舅が亡くなって、姑が一人で残っているのだから。
思わず私のほうが「あちゃー」と声が出た。
さて、どのように歩み寄るのか。
互いに融合してゆくのか。
今も昔もここのところは変わらない。

が、あくまで本の主題は「二歳の"私"の育児法」である。
あまり参考にはならないだろうな…。

ISBN:400412137X 新書 松田 道雄 岩波書店 1961/03 ¥735

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