しゃばけ

2004年10月4日 読書
頃は江戸時代。
のどかで穏やかな人の営みがあった頃。

場所は江戸。
廻船問屋と薬種屋を経営する大店"長崎屋"の蒲柳質の若旦那には、親より甘く、雷より怖い、ふたりの手代が付いていた。

年に一度は死に掛ける、というからだの弱さを補って余りあるのが、若旦那の周囲に住まうものたちの存在である。

祖父が守り神にとどこからかつれてきた二人は小僧時代から成長して手代となって、昼夜間断無く若旦那を守る。

若旦那も、自分の周りに出没する妖しいものたちを、妖しいとは思わ(え)ずに友達付き合いをする。

妖かしの者たちに囲まれて、人には見られないものを見て、考えることの出来る若旦那。
その若旦那を襲う、不可思議な連続殺人事件。
被害者は自分と同業の薬種屋なかり。

二人の妖かしを従えて(?)若旦那が事件解決に乗り出した。
……のかな?

江戸時代のお気楽太平ぶりがのほほんと伺われていい感じの小説である。

実際、自分で買おうかどうしようかと何度も迷った本である。
迷っているうちに友人に貸してもらえたのは、すこぶる幸運!

労働(して出世)する妖かし……
若旦那を甘やかす妖かし……

そのほうが、普通の妖かしより、なんぼか妖しい。

ISBN:410146121X 文庫 畠中 恵 新潮社 2004/03 ¥540

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