何しろ安いし。
薄いし。

大阪のUSJぐらいの、日帰り小旅行にもってゆくにはちょうどいいかな、とおもって買った本である。

元機長。
今作家。
という奇妙な履歴な人が書いたエッセイ本で、題名から判るように、勿論機長時代のことを書いている。

これが結構楽しくて、読み飛ばせずに読了できなかった…。

USJへの往復はおしゃべりと転寝で終わったし、連れが「ジュラシックパーク」なるアトラクションに行っている間(私は乗らない。否、乗れないんである)ベンチに座って読むつもりが、「今日は寒いから行かない」といわれてしまったし。(くっ。私の30分の読書タイムが…!)

スチュワーデスはそんなに機長と仲が言い訳ではない。
彼女らは芸能人やスポーツ選手と結ばれやすい、という。

確かに。
身近に実例をひとつ知っているからな。
慶応ボーイの彼は、ラグビーで優勝メンバーに入っていた。
ので、週刊誌などで顔が売れていた(らしい)

実家は関西だったので、まあ他にもなんやかやで移動は飛行機を使っていた。
ら、ちゃっかり逆ナンパされちゃったらしい。
慶応ボーイとはいえ、スター選手とはいえ、なにしろまだ学生だから、ちょろいものだったのかもしれない…。

いや、まあ、幸せならいんです。

機長も訓練時代にたいていカップルになっていて、飛行機を飛ばす頃にはもう相手が決まっている。
その頃でもあいてがいないのは、「ろくなのが残っていない」とスチュワーデス嬢が言うらしいのだ。
そのくせ離婚しての再婚相手には、「お互いの仕事が良くわかっている」と言う理由でこの両者がくっつくのだと。
でもって、給料日からフライト予定から宿泊場所からツーカーに知られてしまうのが、またまた苦痛の種になったりするのだと。

…なんかよくわからない、変な話である。

機長も無条件にもてる、って訳ではないのか。驚きである。

飛行機を飛ばすくせに、車の免許をもっていない機長もそこそこいるという。
一方、同時に肉体で風を感じて走る、繊細(らしい)なバイクのりは結構多いらしい。
チェレンジする気持ちの持ち方とかが一緒なんだって。
その点、車は風を感じられない上に、コース選びとか微妙な技量が発揮できないのでダメなんだそうだ。

まあ、そういう個人的趣味はいいとして、仕事では、もう少し気を使ってほしい。
すくなくとも、お客をビビらすことだけはしないでくれ。

私が昔、空港の待合室で搭乗待ちをしていた時のことだ。
肩に何本も線を入れた制服姿の方が、トランクを持ったまま自動販売機の前にじっと立ち止まっているのを見た。

それも、お酒の販売機だよ…。

おい。
まさか、あんた、これから仕事じゃあるまいな…?

よほどそう言って確かめたい衝動に駆られたものである。

ISBN:4101160414 文庫 内田 幹樹 新潮社 2004/08 ¥420

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索