推理モノやそこまで大仰ではないがちょっとした謎解きものを、お洒落に小粋に描く。
この標題作で「松本清張賞受賞」したらしい。

まだこの作者とは会ったばかりで、中国モノの、しかも短編しか読んでいないが、短編を集めたシリーズ物が向いているように思える。

これが長編…となると、どうだろう。
煩わしいかな?
煩いかな?
そんな予感がする。
もっとも、予感でしかない。
蓋を開けて見れば意外なものが見えるかも知れない。

唐の長安は「牡丹狂い」だった。
わからなくもない。
私も好きな花だし。
いかにも"中国"って花だし。

瑠璃瓦、紅壁、牡丹の大輪。
紫禁城の北、景山公園で、満開の牡丹園を背景に、胡弓を弾く老人を眺めていた時、私はすっかり中国の歴史の波に中に埋没していたものだ。

まるで御伽噺。
その時は、触れる空気も聞こえる言葉も、すべて違うと感じていた。
(中国語がわからないせい、という意見もあるが)

ISBN:4163168303 単行本 森福 都 文芸春秋 1997/04 ¥1,300

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