中国は宋(960年〜)の初期の話。

唐王朝が滅んで、分裂と争いの時代があって、そして天下は趙氏のもとに統一された。
宋、といえば、夜も城門を開け放ち、街は煌々と灯をともし、"武"よりも"文"が花開いた優雅な王朝である。
ゆえに首都である"開封"は、別名"不夜城"とも称される。

…ゆえに北方異民族に対しては常に弱腰の対応を続け、果てに滅ぼされる羽目になった。
その王朝の終わりには、各地で戦乱が起こり、その史実のひとつから生まれた物語が「水滸伝」なのである。

だが、文化の華ばかりが大きく花開いただけではない(と私は思う)
武人の持つ武器ひとつとってもみても、この時代に数多くの種類が開発・工夫されている。
中国映画「水滸伝」の戦いのシーンで披露されるさまざまな武器は、製作者が無知なのではなく、時代考証をしたがゆえの結果なのだ。
わざわざこういわねばならないほど「???」な武器が多いってことを推察すべし。
(黒旋風の二挺斧なんて、全然まともよまとも)

とにかく、まあ。
個性的な時代、なんだな。つまりは。

主人公は、10歳から若く見えてしまう童顔の希舜。
(普通人の十分の六の成長、とか言われてるし)
相棒で美声(←こういう設定はいかにも"女性"らしさが良く出ている。作者の性別はしらんけど)の伯淵。
プラスアルファ…。

彼らは、身分を隠して諸国を回り、悪いことを企むものを成敗する…

中国版・水戸黄門。

うん。
それだな。
それしかない。
まさしくそれだ。

この人の作品は初読だけれど、この調子ならば期待大・楽しみである。
尤も、一番最初のとっかりはいまひとつだったので、そこでリタイアされなければ、の話だが。

ISBN:4334923925 単行本 森福 都 光文社 2003/03/19 ¥1,890

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