「エマ」4巻を買うときに、隣にあった…ので、一緒に買う羽目に。(あぁ…衝動買い)

エマはずんずん面白味を増して行くので、次の巻がたのしみである。
基本的に単行本にならないと読まないクチなので、次までがけっこー長い。(でも忍耐忍耐(笑))

「シャーリー」
「エマ」より前に書かれた短編もので、この本には、
お裁縫の得意なシャーリー
(13歳でメイドか…厳しい時代だ)、
子供受けのよい眼鏡のメリー、
(確かこの時代では眼鏡はかなり高価だったのではなかったっけ…?)
戦うメイド メアリ、
(対戦相手・好敵手の大だんな様が良い。しかしよりによってハンニバル・スミスだとわ…(笑))、
の3人が描かれている。

まだ初期の作品(?)のせいか、みなさんメイドの割りにのびのびと仕事しているなぁ…と、感じた。
だから、とっても笑える作品になっている。

エマはもっとシビアだ。
メイドの苦悩というか、辛さをしっかり滲み出していたしな。
時代背景が作者の中にしっかり蓄積されていって、厚みを増した結果だろうか。
作品の生まれてくる土壌がすでに違うのかもしれない。

それにしても、日本だって、すみこみのお手伝いさんとか職人の徒弟とか商家の丁稚とか、幼いとき苦労をして、いい意味で成り上がってゆく下層階級の人間は多かったけれど、ここまで差異が酷かったろうか?

貧しいか、豊かか。
その差は歴然と有ったとも。
しかし、人間としては、所詮「同じ日本人やんか」「風呂に入れば皆同じ」「死ねば、仏の前に出れば皆同じただの人」的な思想が根底にあったように思える。
確かに生活は貧しくとも、「同じ人間」と思えるものが。

それは今でも同じ。
英国では、同じ英語なのに「属するクラス(階級)で英語が違う」というし。
日本には各地方の方言が有るだけだ。
方言は、社会的に侮蔑や差別の対象にはならない。
そして、努力次第で、"クラス"は変えられる。
苦労しても変えられるなら、涙を流す甲斐もあるというものさ。

英国はそうは行かない。
生まれたクラスは一生ついて回る。
今でも。
だから、首相のパブ通いが、大きな話題になったりするのであるな。

そういう思考に影響されていたので、シャーリーの第一話。
彼女の雇い主が○○しているのに、とっても驚いてしまった私だった。
それにしても、この人の漫画は、パイプ爺さん(おじさん?)がいい味を出しておるよな。

ISBN:4757713134 コミック 森 薫 エンターブレイン 2003/02 ¥651

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