ヨーロッパものしり紀行 城と中世都市編
2004年7月25日 読書
前の3冊(宗教・くらしとグルメ・建築美術工芸)はパスしたのだが、お城・城砦とくれば興味津々。
丁寧に解説してある辺りは読み応えあり。
文庫なのに、写真が多いのも素晴らしい。
お城⇒城砦⇒戦い
は常識なので、敵を寄せ付けない落とし格子や跳ね橋の収容溝の跡、そして弓矢だけでなく煮えたぎった油や汚物まで頭上から落とした矢狭間や、そういったものを写真つきで解説されると非常にわかりやすい。
そして面白い。
日本の城とは明らかに考え方が異なる設計であるために、口でいくら説明されても想像の及ばぬところが多いのだ。
その点、視覚だとそのままストレートに入ってくるのがよい。
さて。
白雪姫のロマンスの、スペインはセゴビアのアルカサル(王城)も、筆者の目にはイスラム教徒に対抗する堅固な城砦建築にしか映らない。
いやごもっとも。
窓もない(防衛上)壁の熱い(同じく)石の建物のなかで暮らす領主一族の苦労は、代わりたいとは思わない。
原則的に木と紙で、もう少し上等になっても石よりは土で出来ている日本の建築物のほうが、よほど人間には優しいといえよう。
厳寒のヨーロッパ。
石造りの城の大広間。轟々と燃える暖炉の暖かさが届くのは、上座のほんの一握りの人たちだけ。
その上、熱は即座に煙突から外へ逃げてしまう。
挙句、熱が煙突から上昇して逃げてゆくために、隙間から、冷たい空気がひゅーひゅーと吹き込んでくる。
だから、下っ端は、着られるだけの服を上から上から重ねて防寒するしかなかったのである。
ここらの記述が泣かせる。
現代日本に生まれてよかった。
ISBN:4101043248 文庫 紅山 雪夫 新潮社 2004/04 ¥540
丁寧に解説してある辺りは読み応えあり。
文庫なのに、写真が多いのも素晴らしい。
お城⇒城砦⇒戦い
は常識なので、敵を寄せ付けない落とし格子や跳ね橋の収容溝の跡、そして弓矢だけでなく煮えたぎった油や汚物まで頭上から落とした矢狭間や、そういったものを写真つきで解説されると非常にわかりやすい。
そして面白い。
日本の城とは明らかに考え方が異なる設計であるために、口でいくら説明されても想像の及ばぬところが多いのだ。
その点、視覚だとそのままストレートに入ってくるのがよい。
さて。
白雪姫のロマンスの、スペインはセゴビアのアルカサル(王城)も、筆者の目にはイスラム教徒に対抗する堅固な城砦建築にしか映らない。
いやごもっとも。
窓もない(防衛上)壁の熱い(同じく)石の建物のなかで暮らす領主一族の苦労は、代わりたいとは思わない。
原則的に木と紙で、もう少し上等になっても石よりは土で出来ている日本の建築物のほうが、よほど人間には優しいといえよう。
厳寒のヨーロッパ。
石造りの城の大広間。轟々と燃える暖炉の暖かさが届くのは、上座のほんの一握りの人たちだけ。
その上、熱は即座に煙突から外へ逃げてしまう。
挙句、熱が煙突から上昇して逃げてゆくために、隙間から、冷たい空気がひゅーひゅーと吹き込んでくる。
だから、下っ端は、着られるだけの服を上から上から重ねて防寒するしかなかったのである。
ここらの記述が泣かせる。
現代日本に生まれてよかった。
ISBN:4101043248 文庫 紅山 雪夫 新潮社 2004/04 ¥540
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