友人から借りて読み出したら、止らなくなった。
現在一日一冊のペースで突き進んでいるが、どこまで続くやら…。

しょっぱなから、主人公たちの危機的状況で始まる物語だが、それでいて語り口調は、いささか甘い。
甘く感じる。

「十二国記」のような硬質な雰囲気も感じない。
勿論、司馬遼太郎や宮城谷昌光などの、長編・大河・大ドラマともまるで違う。

が。
引き寄せるものがここにはあるんだから仕方がない。

国を追われた王さま。
それを助ける、正体不明の少女。
(この際、人間じゃなくても可)
王の帰還を泣いて喜ぶ家臣たち。
喜ばない敵役の皆様…の、陰謀と失敗と自滅。

設定自体は良くある話である。
だからこそ、それをいかに転がすか。料理するかはシェフの腕前次第。
主役の片割れを、名前ではなく "男" などとと書き続けてゆく作者の淡々とした仮面の下に、何が見えてくるのか。
まだまだ楽しませてくれそうな…予感である。

なぜかしらん、自宅に挿絵画集があったのが…これまた謎であるけれど(笑)
ISBN:4122041732 文庫 茅田 砂胡 中央公論新社 2003/03 ¥680

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索