QED―ベイカー街の問題 ⇒ QED−東照宮の怨
2004年7月4日 読書
怪しい漢方薬局の怪しい薬剤師・桑原祟が解き明かすシリーズ物の3作目。
「百人一首」「六歌仙」ときて、今回は、ミステリーの古典とも言うべきシャーロック・ホームズへ。
大体このシリーズは、何が題材に選ばれているかで出来不出来(好き嫌い)がはっきりする。
今回はシャーロック・ホームズ。
物語の出来はまあまあよろしかろうと…というのも、私がホームズ物のファンであるせいかな?
(違う部分で楽しんだのかもしれない)
ストーリのなかでサイドストーリーとして語られるホームズの謎は、なかなか奇抜で面白かった。
なるほど、それもありか、と、真面目に喜んでご高説を拝聴した次第。
WHO IS S・H?
ふんふんなるほど。
そういうプロットも考えられるのか、と純粋に楽しめる作品である。
(あ、やっぱり主筋と違うところを楽しんでしまったようである)
しかし。
日本でのシャーロキアンの活躍も活動も、大昔から知ってはいたものの、そこまで入り込めなかった私の一歩引いてしまう気分が、この小説で増幅してしまったのは確か。
ううう…そこまでマニアックにはやれない…。
とても無理…。
私の場合は、単純に"その時代性と物語を楽しんでいる"だけだもんなぁ。
まあ、ここまで、この小説に出てくるほど、犯罪に結びつくほどに酷くはあるまいが。
でもね…ちょっと引いてしまう。
いえいえ、彼らを悪く言う気は全くないのです。
なにしろ、
「シャーロキアンは、最も心の広いミステリーファン」なのだそうだから。
次は「東照宮」。
かの家康公が国家鎮護の神となって鎮座ましましている、霊験あらたかなる場所であるからして、相当の事件は覚悟すべきか。
……そりゃぁ、言われるまでもなく、呪、だろうね。
日光が江戸の鬼門、あるいはその後ろ盾(守り神)として存在することは既にたくさんの人が述べていることである。
だが、その日光を一つの手段として、もうワンレベル上の呪を創造しようとは。
論理としては非常に面白い展開であった。
が、連続殺人事件、その探偵ものとしての物語性は、ちょっと堕ちる。
これでは裏の歴史考証本である。
そちらに重心が偏りすぎて、犯人の描写がイマイチ。
犯行の理由としてはイマニ。
ミステリーとしてではなく、歴史の裏を考証する物語として読むべき本であろう。
作者は主題にのめりこみすぎるのかな?
日本の呪術に詳しい、私がファンである小松先生を始めとする、"その手"の研究者のお名前などがぽんぽん上がってくるのを、にやにやしながら読み進んでしまった…。
ISBN:4062738449 文庫 高田 崇史 講談社 2003/09 ¥650
「百人一首」「六歌仙」ときて、今回は、ミステリーの古典とも言うべきシャーロック・ホームズへ。
大体このシリーズは、何が題材に選ばれているかで出来不出来(好き嫌い)がはっきりする。
今回はシャーロック・ホームズ。
物語の出来はまあまあよろしかろうと…というのも、私がホームズ物のファンであるせいかな?
(違う部分で楽しんだのかもしれない)
ストーリのなかでサイドストーリーとして語られるホームズの謎は、なかなか奇抜で面白かった。
なるほど、それもありか、と、真面目に喜んでご高説を拝聴した次第。
WHO IS S・H?
ふんふんなるほど。
そういうプロットも考えられるのか、と純粋に楽しめる作品である。
(あ、やっぱり主筋と違うところを楽しんでしまったようである)
しかし。
日本でのシャーロキアンの活躍も活動も、大昔から知ってはいたものの、そこまで入り込めなかった私の一歩引いてしまう気分が、この小説で増幅してしまったのは確か。
ううう…そこまでマニアックにはやれない…。
とても無理…。
私の場合は、単純に"その時代性と物語を楽しんでいる"だけだもんなぁ。
まあ、ここまで、この小説に出てくるほど、犯罪に結びつくほどに酷くはあるまいが。
でもね…ちょっと引いてしまう。
いえいえ、彼らを悪く言う気は全くないのです。
なにしろ、
「シャーロキアンは、最も心の広いミステリーファン」なのだそうだから。
次は「東照宮」。
かの家康公が国家鎮護の神となって鎮座ましましている、霊験あらたかなる場所であるからして、相当の事件は覚悟すべきか。
……そりゃぁ、言われるまでもなく、呪、だろうね。
日光が江戸の鬼門、あるいはその後ろ盾(守り神)として存在することは既にたくさんの人が述べていることである。
だが、その日光を一つの手段として、もうワンレベル上の呪を創造しようとは。
論理としては非常に面白い展開であった。
が、連続殺人事件、その探偵ものとしての物語性は、ちょっと堕ちる。
これでは裏の歴史考証本である。
そちらに重心が偏りすぎて、犯人の描写がイマイチ。
犯行の理由としてはイマニ。
ミステリーとしてではなく、歴史の裏を考証する物語として読むべき本であろう。
作者は主題にのめりこみすぎるのかな?
日本の呪術に詳しい、私がファンである小松先生を始めとする、"その手"の研究者のお名前などがぽんぽん上がってくるのを、にやにやしながら読み進んでしまった…。
ISBN:4062738449 文庫 高田 崇史 講談社 2003/09 ¥650
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