「仮面舞踏会」
まるでボケと突っ込みのようなテンポのよい語り口調が結構気に入った。
午後のカフェの描写…
互いを見つめあい、テーブルのうえのコーヒーに気づかずにいる若いカップル、
コーヒーを見つめ、互いに気づかずにいる老いたカップル、
ウイットの効いた対象的な描写が心地よい。

主役の相棒のフランス人(男性)の、料理にかける熱意には流石フランス人、と思わないでもない。
また、この人物のみならず、例えばパリ警察の警視あたりも、自分の奥方がどのように料理をしているか、その方法を他人にきちんと説明できるのである。
これでは、奥方も手が抜けないではないか。

あと、英国人のマダム(?)が、料理人だけは英国人を雇わないと決めている…なんて描写も、我々のフランス人観・英国人観を裏打ちしてくれるようで笑える。

外国小説に似つかわしくなく、お酒の描写よりも食べ物の描写に力を注いでいるあたり、この小説の面白い一面であろう。

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