陰陽師生成り姫

2004年6月15日 読書
映画の宣伝が帯についてる分厚いめの一冊である。
作者の意気込みが、そこはかとなく感じられたりして。

今まで読んできたストーリーにいささかかぶっている話だが、そこは見て見ぬふり。
大人である。

前に書かれていた短編「鉄輪」の著編版。

安倍晴明の相方、源博雅の悲恋物語。
鈍なようでいて、さり気に物事の本質をついてくる三位の平安貴族様には晴明も「本当に」は勝てないらしい。
嫉妬で醜く変化した女に対し、博雅はあくまでもいとおしいと言う。
すべてをひっくるめて愛するという。
晴明の科白ではないが、「いい男」である。
良い話である。

神も鬼も、すべて人の心から生まれる……
まさしく。
思うゆえに有るのである。命も姿もなにもかも。

とりあえず、シリーズはここで終わりらしい。
ので、「A君(17)の戦争」の続編に移ることにする。

ISBN:4167528096 文庫 夢枕 獏 文芸春秋 2003/07 ¥610

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