濡れ縁で、背中を柱に預けて、丸い茣蓙(今で言う座布団)に座り込んで、ぼうぼうと草花の茂る庭を眺めつつ酒を呑み、焼いた小魚などを"しがむ"。
…安倍晴明と源博雅の毎度毎度の登場シーンである。
お互いに何も言わず、機嫌を伺うこともなく、黙ったままで時間を過ごすことができるのは素晴らしいことだ。
…しかし。
酒の肴がもう少しどうにかならんか、平安貴族。
食事は日に2回だったという話も聞いているが、本当に食べるものに関しては、気の毒である。
長い人類の歴史の中で、最初で最後ではないかと思うほどのこの飽食の時代に生きているから、私にはそう思えてしまうのかもしれないが。
お酒も冷やだし。
敵役の芦屋道満がチョコチョコと顔を出しはじめた。
が、やっていることが可愛らしい。(いや、人の命に関わる勝負をけしかけてくるんだけどね…)
それに付き合う晴明は、やはり面倒見が良い。
男に捨てられ、恨みにうらんだ"鉄輪"風の物語が多くなってきた。
心せよ、男性諸君!
…女は祟るよ。
ISBN:416752807X 文庫 夢枕 獏 文芸春秋 2002/10 ¥470
…安倍晴明と源博雅の毎度毎度の登場シーンである。
お互いに何も言わず、機嫌を伺うこともなく、黙ったままで時間を過ごすことができるのは素晴らしいことだ。
…しかし。
酒の肴がもう少しどうにかならんか、平安貴族。
食事は日に2回だったという話も聞いているが、本当に食べるものに関しては、気の毒である。
長い人類の歴史の中で、最初で最後ではないかと思うほどのこの飽食の時代に生きているから、私にはそう思えてしまうのかもしれないが。
お酒も冷やだし。
敵役の芦屋道満がチョコチョコと顔を出しはじめた。
が、やっていることが可愛らしい。(いや、人の命に関わる勝負をけしかけてくるんだけどね…)
それに付き合う晴明は、やはり面倒見が良い。
男に捨てられ、恨みにうらんだ"鉄輪"風の物語が多くなってきた。
心せよ、男性諸君!
…女は祟るよ。
ISBN:416752807X 文庫 夢枕 獏 文芸春秋 2002/10 ¥470
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