懐かしい本を一冊。
むか〜し読んでいたはずが、本当に朧でしか覚えとらん。

嘆く泣かれ、もう一度楽しめると喜ぼう。

今更なにをかいわんや。
安倍晴明は平安朝・村上天皇の時の陰陽師である。

国家お雇いのまじないし、みたいなものだ。
当時は科学がそれほど(いやまったく)発達していなかったので、超常現象はすべて

「怪しい」⇒「怪かしの仕業」⇒「忌むべきもの」⇒「避くるべきもの」

という論理であった。
だから、そういうものに対処する精神分析医というか、セラピストみたいなのが必要になったのだった。

「大丈夫だよ」と、怪しげだろうが非科学的だろうが、とにかく「ナニか」を処方してくれる人物が国家ぐるみで必要だったわけだ。

こういうとロマンもへったくれもないので、いい加減やめておこう。

式神は一家に5人はほしい働き者。
お茶も淹れられます。
魚も焼けます。
もちろん、留守番もできます!
3人でもOK!

いいなぁ〜。便利だなぁ〜。と、この本を読んでいると、そればかり思ってしまう。

作者が作者なので、もっとどろどろしているかと思ったが、人の性よりは、流れてこうなったというようなストーリーが続く第一巻は、初心者にも非常に読みやすい。

同じ主人公を扱ったコミックスの原作者でもあるこの作者。
岡野玲子嬢の描くあのコミックスのほうは、何が言いたいのかよく分からん。
…ので、巻を増すごとにこのシリーズも分からなくなるのでは…?と少々不安ではある。

しかし、手足の生えた"危険の際には自力で逃げる琵琶"玄象については、コミックスのほうに軍配を上げよう。(なんだかゴキブリの足みたい…と常々感じていて、その点だけがネックではあるのだが)

宮中が火事になったとき、
小説では「なぜか、庭にあって無事だった」と語られるに尽きるのだが、
コミックスでは、「博雅〜助けて〜」と単身危険を承知で乗り込んできた彼に飛びつくのである。
それに対して、「足があるなら自分で逃げろ」なんて言っている博雅の突っ込み(?)も中々である。

ISBN:4167528010 文庫 夢枕 獏 文芸春秋 1991/02 ¥540

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