笑った、笑った〜!
なにこれは。
粋に読ませてくれるなぁ〜このコミックス。

男ばかりが4人、心ときめくアンティークなカップやソーサー、調度品に囲まれた見目麗しいフランス菓子店を営んでおる。
でも、見た目は変。
ふりふりリボンのエプロンの、うら若い乙女(従業員)の一人としていない…洋菓子屋さんなんて。
ホストクラブのようなケーキ屋、と作中にも噂されるぐらいである。

ところが。
味がいいから流行る。
口に入れるなり、じたばたしたくなるぐらい美味しいケーキ。(気持ちは分かるぞ!)
天才パティシエが思う存分腕を振った成果である。
ああ、そんな素敵な洋菓子店なら、私だって行きたいよぅ。
また美味しそうに食べるんだわ、こいつらが…くそぅ…。
たかが漫画のくせに〜。口惜しい。
食べたい…。

さて。
なんの因果やら、ここに集まった4人の男。

東大出で、脱外交官(試験だけだったけど)、脱弁護士(やっぱり試験だけだったけど)、脱エリート商社マン……な、何でも出来てしまう、オールマイティなオーナー店長。

"魔性のゲイ"(笑)の異名をとる、根はお笑い天才パティシエ。

目の故障でボクシングをやめざるを得なかった、もとチャンピオンの天才少年(?)ボクサー……の菓子職人見習い。

オーナーの幼馴染、"影です"と自己紹介してしまうような、得体の知れない天然ボケの……ギャルソン。

展開するストーリーと、すぐ崩れる登場人物の表情が、作品のはばをとんでも無く広げている。

テレビドラマでもやったそうな。
ドラマどころか、テレビ自体をあまり見ない私は知らなかったが、原作の粋のよさが生かしきれるなら、きっと楽しいものになっていただろう。
視聴者は、ケーキを用意して、ドラマを見ていたんだろうか?
原作の魅力的なケーキそのままの演出なら、見ていて食べたくなるのは必定。我慢できないと思うけどなぁ。
しかし、このストーリーをそのまま映像にするには、きっと、ちょっと(だいぶ?)無理な部分もあったろうと、おもうけれどね。(何が、とは言わないが)

お客の中では、もと検察庁のエリート、誘拐事件の責任を取って閑職に甘んじていた強面の渋いオジサンが中々いい味を出していた。
ケーキ好きのおじさん…個人的にはぜんぜんOK。
よく言われるように「気持ち悪」くなんて、まったく、ない。
現実世界の職場にもちらほら存在しているが、可愛いもんである。

ISBN:4403615880 コミック よしなが ふみ 新書館 2000/06 ¥546

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