いま読んでいる米原万里氏の著書、「不実な美女か貞淑な醜女か」
その「不実な美女か貞淑な醜女か」とは。

通訳の内容が誤りでも美辞麗句、文章としては美しい。

か。
スピーカー(発言者)の言葉を間違いなく、そのまま、だが、言葉ががちがちで面白おかしくもなく、日本語としては「?」な文章。

どちらが宜しいでしょうか……。

同時通訳などという職業は、私から見れば超人的な仕事である。
そんな方々でも、通訳するそれぞれの国の民族だの宗教だの、つまりは考え方や感覚の違い(=溝)を埋めるべく常に困難に四苦八苦して立ち向かっておられる。
同時通訳者には時間のないのが、最大のネックである。
とことん説明(訳)しようとすれば、背景から関連からと甚大な量を話さねばならないが、訳者に与えられる時間は、スピーカーの6〜8割程度の時間だそうだ。
著者はこれを前門の虎(=間違いなく訳す)、後門の狼(=時間を取らない)と称しておられる。

同じ言語をしゃべる人間同士でも、真意が伝わらない、言葉が足りない、誤解を受ける……と言うことが多々あるのだ。
異国の言葉を、異なった文化に生きる人間の心を、ともに通じさせようと言う苦労は想像を絶するだろう。

私なども最近は、「通訳が必要か?」と思うことがあったりするのである。
自国語に不自由な人間って……やだな〜。

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