レビューがでるとわ……思わなんだ。
復刻本って、人気あるんだね〜痛感。

さて。
本当になっつかしい!本。
今見ればパースとかストーリーとかにいろいろいちゃもんをつけてしまいそうなのだが、初読のころはそりゃ夢中になったもんだ。

ヨーロッパだっって今よりずぅ〜っと遠かった。
早くてアメリカ領アラスカのアンカレッジで給油して北極圏を飛んで到着。
遅ければ(=安い便なら)台湾だのマレーシアだの中近東だの止り止っての南回り。
アラビア圏の空港で飲んだ水が、香辛料臭かったという話も聞いている(ね?提督?そうでしたよね?)

ソ連邦が崩壊する寸前ぐらいから、日本の航空機も彼の国の上空を通過していいことになって、それでヨーロッパはぐんっと近づいた。
近づいた、と言ってもね、パリまでしっかり12時間ぐらいかかったりするけどね(笑)
そういや、まだソ連の時代、モスクワで給油待ちしていた友人(しかも新婚旅行!)は、こっそりと二人の体で隠しながらビデオを撮影をしていたのだ。
見つかったらそれこそどんな目にあうか…!
あまりにもムボーである。
後でテープにダビングしたものを見せてもらっていたこちらのほうがどきどきしてしまった。

そんな時代のイタリアだの英国だのフランスだのを描いているだけでも興味津々。
カタコンベ(イタリアの地下共同墓地)なるものの存在も、この漫画で初めて知った。
何にに付け今ほど情報がなかったし、文字通り"遠い異国"であったわけ。
だから、取材と称して(?)そんなところまで行ってしまう漫画家ってすっごい金持ちなのだわと素直に感心した次第である。
ちなみに、主役の探偵・神 恭一郎氏をちゃんと認識したのは、この漫画ではなく後の大ヒット作「スケバン刑事」だったのだけれど…

……でも。
私が本当に喜ぶのは、この単行本に納められていた別の話のせいである。
「炎の剣」
まるでクラシック曲のぱくりかと思わせる題名だが、内容もそれを連想させる。
アラビア国家の権力闘争に巻き込まれたキリスト国のお姫さんとその従者が、炎の剣を守りながら砂漠を越えて逃げまくる…という話だ。
もともとイスラムとキリストではいがみ合いけなしあいが普通と思われる舞台で、このお姫さんのキリスト国家と隣接するアラビア国家だけが親交がある。
という、理想的な設定である。

いいねぇ。
そうやって仲良くできれば問題はないのだけれどねぇ。

何がよかったかって、今となっては別だん珍しくもないオリエンタルな雰囲気や、当時の少女漫画ではぜったい登場しそうにない舞台や設定が、"変わり者"の私の心にヒットしたわけなのだ。

いかにそれが変わっていたか。
あとがきを見ると、歴然としている。
掲載後のアンケートがとっても悪くて、作者の和田慎二氏は、
本気で漫画家生命を絶たれたかと…
おもったそうなんである。

こんなに面白いのになぁ。

それにしても、メディアファクトリーって会社は変わった本を出すので目が放せない。

ISBN:4840104816 コミック 和田 慎二 メディアファクトリー 2003/02/22 ¥620

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