「魔女の1ダース」読了。
久々に…(前日に同じ)…面白かったので、同じ著者の本を注文してしまう派目に。

以下、引用。

「視野の狭さ、傲慢な押し付けがマシさ、無知ゆえの自身過剰と独りよがり、異なる文化や歴史的背景に対する信じがたいほどの想像力の欠如というのは、はた迷惑もはなはだしい。
特にそういう精神の持ち主が強大な武力を背景にしているときは、悲惨だ。」


……………………………………いたね。
そういえば。
厳しい自然条件に対応して、生活の知恵として生まれたヤオトンを「文化程度が低い穴居民族」などと馬鹿にした言い方をした首相が。
いたね。
肉食の欧米人が捕鯨にヒステリックになったり、漁師の網を破る(生活を脅かす)海豚を殺したと喚きたてたりしたのが。
自国のやり方、自分のやり方を相手に押し付ける輩が。

米原女史はそういう連中を、びしばし指摘する。

そしてまた、孫引きであるが、

『愛国主義は、ゴロツキの隠れ家』
『野心家なら誰でも点火したがる代物で、点火しやすくすぐ燃え上がるガラクタ』
であり、
『愛国者とは、政治家には馬鹿みたいに騙され、征服者には手もなく利用されるものである』
と言い当てているのが「悪魔の辞典」で有名なアムブローズ・ビアスである。


などと、手を緩めることなく話は続く。
もっとも、そんな堅い話ばかりではなく、思わず笑い出すエピソードもてんこ盛りである。

でもって、第一線でバリバリに働いていた同時通訳嬢なので、沢山の歴史的事件に関わっておられる。
初めて日本人として(またマスコミの人間として)ソ連の宇宙船で宇宙へ旅立ったTBSの秋山さんとの話とか、興味津々、あのときの舞台裏はこうだったんだ!と野次馬的興味も十分満たしてくれる。

本全体に知性と笑い(これが肝心!)が満ち溢れた、実に楽しい読み物であった。

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