衝動買い〜♪

早速、とても気に入った笑い話を引用(孫引き)する。
(この本の主題からは離れるけれど)

アダムとイヴが何人であるか、はキリスト教と聖書を自国の文化的アイデンティティーのバックボーンとして認識している西欧諸国では、今でもかなり激しい議論の対象となるという。

で、ソ連邦健在なりし頃、とある会議の席上でのこと。

英国代表:
「エデンの園は英国にあった決まっている。なぜなら、英国は紳士の国だ。りんごが一個しかないとき、まずレディにお譲りするとは、ジェントルマンシップの英国以外には考えられない」

フランス代表:
「いやいや。二人ともフランス人に違いない。なぜなら、たかがりんご一個で男に身を任せるなんて、フランス人ぐらいしかいないはずだ」

ソ連代表:
「アダムとイヴはわが同胞に間違いない。なぜなら、ろくに着るものもなく裸同然の暮らしで、食いものときたらりんご一個しかないのに、そこを楽園と信じ込まされていたなんて、ソ連邦市民以外には考えられないでしょう」

   『新版 ロシア人』(ヘンドリク・スミス著)の小咄より。

ベルリンの壁が崩壊する前後、東ベルリンから西ベルリンへ"散歩"に訪れた親子ずれの会話を思い出した。

子供「お父さん、冬なのに、オレンジがあるよ!」
父親「……西側には、何でもあるんだよ」

たかが、オレンジ。されどオレンジである。

常識は国によって、地域によって、人によって、まるで違うということだ。
そこに矛盾も生まれる。

ISBN:4101465223 文庫 米原 万里 新潮社 1999/12 ¥500

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