蒼天の比翼

2004年4月19日 読書
原作 志染 保氏の、かんべあきら氏画のコミックス。

あいも変わらず陰陽師の話だが、違うのはまさしく現代風に変化した陰陽師であること。

情報収集と状況調査はパソコンで、

調伏した妖怪は電子ロボットやボイスレコーダーやゲーム機のなかに閉じ込める。

嘗ては人の目に見えた"闇"が、今はもう24時間輝き続ける人工灯のおかげで見えなくなってしまった。
闇に巣くうものがそれで消滅したのかと思ったら、人の心に生まれる"闇"を捜しては入り込んでいるという。

陰陽師が退治するべき妖怪は、その、人の心に生まれた"闇"に棲むもの。
つまり、陰陽師は人の心が痛め付けられ傷つけられたその原因を取り除くものでもある…と、まるで精神科医かセラピストである。(つまりレンガ本の主役・京極堂も同じ技か。人の心の重みを剥ぎ取るというか…で、憑き物を落として事件を解明するという)
でも、実際、確かにそんなものかもな〜。
セラピスト・晴明……いいかも。
「ハイ。貴方の悩みはナンデスカー?」

そして、人間の脳には微量な電気が流れているのだが、その電気がちょいとおかしくなったとき、つまりその悪性電気作用が"妖怪"の形をとって現れる…だから電磁波で捉えられる?
妖怪=悪性電気作用
では、夢も何もありはしないけど。

ところで、作品中の、子供を愛しつつ自分の"場所"を獲得したいがために子供を犠牲にしてしまう母親についていた、妖怪・○○○。
あのノリなら、私としては、鬼子母神にしてもよかったんじゃないかなと思ったが。
他人の子供を食べてちゃ、ちょっとえぐいかな?

それにしても、いまだに陰陽師人気は衰えることを知らないようだ。
本の帯や宣伝を見ると、アンソロジーだのパロディだの、続々と刊行中のようである。
売れるんだね……。
このテーマ。

シカシ!
とうとう新しいのが台頭してきたぞ!

その名も「新撰組」
以前からそれなりに出ていたようだが、NHK大河ドラマに便乗して、その勢いは侮れないものがある。
いやぁ、元気で結構、面白いね。

ISBN:4056033757 コミック 志染 保 学習研究社 2004/03/27 ¥630

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