捕虜収容所の死

2004年2月20日 読書
「オクシタニア」読了。

神を信じて、人間を信じて、この世界を信じて、生きて行けるのか。

何を信じて人は生きるのか。生きることができるのか。
この混濁した世界で。

ラストが珍しくもハッピーエンドか、珍しい、と思ったら、大きな落とし穴が用意されていた。
あんまりだ。
酷い。
人は一人では生きられない。
なのに、そうして生きることを強制されてしまった人間は何を信じ、なにをよすがに生きればよいのだろう。

人は不幸になるために生まれてきたわけではなく、悲しみだけの生のために生きているわけではない。
来世のために今の命をたつことは、私には、やはり納得がいかない。

東洋的思想(思考)に生活も規範もどっぷりとつかっている我々は、この物語に見るような「異端」の戦い(肉体的にも精神的にも)には耐え切れないだろうな、と思う。

次はレンタル追加(♪)分のまず一冊目。
「捕虜収容所の死」である。
第二次大戦下のイタリアの捕虜収容所で起こる殺人事件と脱走劇。
スリルとサスペンスの幕開けである。

こういう物語は白黒はっきりしていて、精神的に随分楽。

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