標題は深い意味はありません。
円紫師匠のシリーズから彼の本を読み始めた私などは、作者はてっきり「女性」だと決め付けていたものです。
そのシリーズを紹介した友人も「女性だと疑わなかった」と申しておりました。

女性の感性をもった作家さんなんだろうかと、そんなことを感じておりました。
されには反するかのように、この「水に眠る」の短編集は、そこかしこに書き手の「男性」を感じました。

「そんなんあり?」
と思うような話もあったけれど、総じて「やっぱり一味違うなぁ」と、そう思ってしまう。
中ではアルバイトの女子高校生が生き生きと明るい「はるか」、
妻の妹とのほろ苦いかすかな心の交流を綴る「ものがたり」が好きです。
一妻二夫制をコミカルに扱った「矢がみっつ」も洒落が利いていて(利きすぎ?)面白い。
でも二人も旦那がいたら、手間がかかってうっとおしくないのだろうか?とか考えてしまいます。
怖いのはいかにも未来にありそうな、他人拒否・自分中心の「くらげ」や、
喪失感の哀しい「かとりせんこうはなび」ですね。
…言ったら怒られますね。

相変わらず、北村氏の作品は、涼やかな風が体の中を通り過ぎて言ったような感覚に陥って、実に気持ちが良いのです。

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